2009年9月2日水曜日

腰痛について

「先生、椎間板ヘルニアなんですけど治りますか?」


「脊柱管狭窄症って言われたんですが」


とか聞いてこられる患者さん、非常に多いです。


はっきりいって、


ヘルニアだろうと狭窄症だろうと



あなたの痛みには関係ありません!!


厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、腰痛は国民が感じている症状の第1位だそうです。



しかしながら、腰痛患者の訴える症状と理学所見や画像所見との関連性が低く、原因を明確に特定できるのは全腰痛患者の15パーセントに満たないといいます。



「腰痛は、直立二足歩行を選択した人類の宿命」

「腰痛の原因は背骨や椎間板の異常」

などのよく聞く話は、もはや前世紀の遺物でしかありません。



そんなこと言ってる医者は時代遅れです。


過去にも紹介しましたが、、

あらためて腰痛治療についての本を3冊紹介します。




①腰痛ガイドブック 根拠に基づく治療戦略 (長谷川淳史・著)



ほとんどの腰痛患者にとって画像診断は役に立ちません。なぜなら画像所見と症状との間には、はっきりとした関連性が認められていないからです。
レントゲン写真で確認できる背骨の異常所見は、必ずしも腰痛と関連しているとは言えず、そのほとんどは単なる生理的変化にすぎない
椎間板の異常はごく一般的に見られるどころか、むしろ椎間変性のあるほうが腰痛発生率は低い
脊柱管の狭さと症状の程度との間には相関性がありません
事実、画像診断技術が向上したからといって、腰痛疾患の改善率も向上したという証拠はありません。それどころか、かえって患者の回復を遅らせ、手術頻度の増加や医療費の高騰を招いたという証拠なら山ほどあります





この本ではEBM(根拠に基づく医療)という考え方により、新たに捉え直された腰痛治療のガイドラインを知ることができます。

  1. 腰痛は「生物学的(物理的・構造的)損傷」というより、さまざまな要因によって生じる「生物・心理・社会的疼痛症候群」である
  2. 腰痛はごく一部を除き、ある一定の経過をたどって自然に治癒する、予後良好の疾患である
  3. 安静が腰痛や下肢痛に効果があるという証拠はなく、安静にしているとかえって回復が遅れる

②「腰痛は脳の勘違いだった~痛みのループからの脱出」(戸澤洋二・著)


脳は最初、いろいろなストレスから気をそらそうと筋肉に痛みを発生させたが、この痛みが今度はさらに大きなストレスの原因になってしまっている。
このことに脳が気づいていないことが大問題なのである。この状態を「正常な状態」だと思い込んでいるところが完全に脳の勘違いであるといえる。
物理的な構造損傷や怪我であれば、それを取り除いたり修理したりして治療すれば症状は消えるのであろうが、人体のすべての五感をつかさどる脳が勘違いしてしまっていては、末端の体の部分をいくら修理治療してもどうにもならないのである。


医師や代替医療施術者の書いたものではなく、医療ジャーナリストが書いたものでもない、慢性腰痛に苦しんだ患者さんの体験記です。



専門用語も少なく、読みやすいし、腰痛に苦しむ患者さんの気持ちがよく伝わってきます。



著者は、坐骨神経痛治療のために、整形外科をはじめ接骨院、鍼灸院、カイロプラクティック、気功、十字式、ゴムバンド療法、中国整体…そして「みのもんた」を手術した高名な先生と7年間をドクターショッピングに費やしました。



それぞれの治療に一時的な効果はみられるものの、完治にいたらず、行き着いたのがTMS理論とペインクリニックでした。



著者は自ら「痛みは脳の勘違いである」と仮説をたてて、ペインクリニックでのブロックで痛みを止め、同時に「脳をリセットする訓練」をして、とうとう腰痛を克服しました。



吉原綜合治療院では、構造歪みとともに「脳のリセット」にも介入します。実際、脳で作られている痛みは少なくありません。






③「トリガーポイントブロックで腰痛は治る!どうしたら、この痛みが消えるのか?」(加茂淳・著)




腰痛を慢性化させる責任の大半は、患者さんよりむしろ、適切な診断と治療を施さなかった医師の側にあるのではないか、と私は思っています。なぜ、こんなことになってしまったのか。それはひと言でいうと、腰痛治療の前提が間違っているからです。多くの医師は、間違った理論を勉強させられ、痛みについて大きな勘違いをしているのです。
腰痛など、筋骨格系の痛みのほとんどは、筋肉のスパズム(けいれん)からくる「筋痛症」が原因です。簡単にいうと、筋肉の痛みです。ところが、医師の卵は、肝心な筋肉の生理学や病態についてはほとんど習わないのです。なぜか現代医学から「筋肉」がすっぽり抜け落ちてしまっています。いまの医学教育では、「痛みのメカニズム」については、基礎医学の生理学で臨床の勉強をはじめる前にちょっと習うだけで、医師になる頃にはすっかり忘れているのが現状だと思います。つまり、痛みのメカニズムを忘れてしまった医師が、習ったことがない筋肉の病態を診ているのです。そして、レントゲンやMRIや関節鏡で見える「骨格異常」が痛みの原因だと教えられ、疑うこともせず、そう思い込んでいるのではないでしょうか。





腰痛の原因は、骨格のゆがみでもヘルニアでもなく、筋肉の異常からくるという著者の主張に全面的に賛成です。



腰椎椎間板ヘルニアも、脊柱管狭窄症も、腰椎すべり症も、痛みには全く関係ない!!


原因は筋肉にある!!!



さて、加茂先生の実際の治療戦略とは、


「とにかく早く痛みを消す」ことに徹する


だそうで、そのために「トリガーポイントブロック」つまりトリガーポイントに麻酔を注射し痛みを止める。



慢性痛には「痛みの第2現場」である脳・脊髄にも対処、



ここでは「抗うつ薬」「抗てんかん薬」「抗不安薬」を処方する。



症状が深刻な場合にはさらに「認知行動療法」や「グループミーティング」を行うそうです。



では、吉原綜合治療院の治療戦略はというと…



まずは、おなじく「とにかく早く痛みを消すことに徹する」です。



慢性痛には「抗うつ薬」「抗てんかん薬」「抗不安薬」は使えませんから、



脳へのアプローチ、「ストレス遮断法」を使います。



その他、いくつかのテクニックで脳と心のブロックを外していきます。







以上3冊の本から学べることは、

レントゲンやMRIなどの画像診断にはまったく意味がないこと

筋肉異常もしくは脳でつくられた痛みであること

であり、当院での腰痛治療の有効性も確認することができました。

もし、治らない腰痛でお困りの方がいらっしゃいましたら、当院を教えてあげてください。







広島市西区の気功・整体院「吉原綜合治療院」
http://yoshihara.blogdehp.ne.jp/

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